製品・技術一覧 | KP STREAM | 関西ペイント株式会社 Thu, 05 Dec 2024 08:05:27 +0000 ja hourly 1 https://wordpress.org/?v=6.3.1 北陸新幹線 芦原温泉駅西口賑わい施設 アフレアの魅力 /kp-stream/insights/14/ Thu, 07 Nov 2024 02:00:00 +0000 /?post_type=insights&p=22028

                                                  撮影エスエス北陸

 

北陸新幹線の延伸とともに誕生したアフレア

 

2024年3月、北陸新幹線は福井県敦賀市まで延伸しました。
それに伴い新たに「小松駅」「加賀温泉駅」「芦原温泉駅」「福井駅」「越前たけふ駅」「敦賀駅」の6駅が開業。
その内、小松駅を除く5つの駅で関西ペイントの塗料が採用されています。
今回は、当社の耐火用塗料「耐火テクト」を使用した、あわら温泉の新しいランドマークである芦原温泉駅西口賑わい施設「アフレア」についてご紹介します。

あわら温泉について

 

あわら温泉は福井県北部に位置し、自然豊かで四季折々の魅力がある温泉街です。
最初の源泉は農民が井戸を掘削中に発見したとされ、それから140年以上の歴史をもちます。
昭和2年には「日本百景」のうちのひとつに選出され、現在では関西の奥座敷と呼ばれている日本有数の温泉街です。

芦原温泉駅・アフレアの開業

 

そのような歴史あるあわらの地に新たに開業した「芦原温泉駅」。
『あわらの大地に湧き出る(いでる)贅(ぜい)の駅』というコンセプトのもとに建設されました。
そして駅の西口には、駅の利用者だけでなく、地元の方々のつどいの場所となる「アフレア」が建てられました。

  • 建物全体に木の温もりが感じられる「アフレア」。一般的な一本柱ではなく、木々が天井に向かって大きく伸び広がっている特徴的なデザインで、つい天井まで見上げてしまう迫力と不思議な魅力があります。
    今回は、設計を担当されました株式会社木下設計の代表取締役社長木下さま、設計部課長片山さまにお話をお伺いしました。

     

                       撮影エスエス北陸

  • Q, アフレア設計にあたってのコンセプトはありましたか。」

     

    木下さま:以前の駅周辺は閑散としていました。あわら温泉に来てくださる観光客の方が駅を出てすぐに目にする空間が寂れたシャッター街であり、このままではあわら温泉の魅力に期待を持っていただけないのではと不安を感じました。
    アフレアに立ち寄っていただくことで、訪れた人には、あわら温泉の街に期待をもってもらえるような、温泉街らしさを感じてもらい、
    地元の方々には、人が集まりやすく、明るくて賑やかな場所にしたいと思いました。
    私の中では当初から、温泉の源泉から「お湯が溢れる」というイメージを何とか形にしたいという思いがありました。「溢れる」という言葉にはものすごい力が宿っているんです。「お湯が溢れて、人が溢れて、賑わいが溢れて、幸せが溢れる」と。私がこの場所で叶えたいことがこの言葉にすべて集約されていました。
    そこで、「お湯が溢れる」というイメージを必ず具現化したく、「溢れる」がコンセプトとなりました。 

     

                               

    • Q, 「コンセプトを実現するためのこだわり、難しかった点はどこでしょうか。」

       

      木下さま:源泉が湧き出ているような造形を柱で表現したいと思いました。シルエットで温泉らしさを出したかったんです。ここは特にこだわりました。

      片山さま:形状が複雑ですから、正直すべてが難しかったです(笑)特に源泉から湧き出るお湯の広がり方を柱でどう表現するのが良いか、とても悩みました。いろいろ議論した結果、天井まで広がっているのが良いよねとなり、格子の形になりました。またその広がりが外からも見えるようにガラス張りにしました。

                          撮影エスエス北陸

    • 木下さま:また、「人が溢れて、賑わいが溢れる」ための工夫もあります。ゆったりと過ごしていただけるよう、無垢の木材を使用し、天井を高くして開放的な雰囲気にしました。芦原温泉駅に降り立った方々が広場に降りて来やすいように視認性も高くしています。

      片山さま:アフレアに使われている木材の8割があわら市産杉材です。木材の方が柔らかい空間になりゆっくりできる感じになりますし、地元林業の振興に貢献したいという想いもあり、あわら市の木材を使いました。

        •  

      株式会社木下設計 代表取締役社長 木下さま

                      

                 株式会社木下設計 設計部課長片山さま

    • Q, 「印象的な柱に耐火塗料を使った経緯を教えてください。」

       

      片山さま:木造としたかったのですが、この建物は耐火建築物としなければなりません。耐火性をもたせるには周りを石膏ボードで囲ってそこに木を貼ってと、段々柱が太くなってしまいます。
      構造体は鉄骨じゃないといけない、でも木は使いたいと。
      なので今回は鉄の柱の上から薄膜で仕上がる耐火塗料を塗り、芦原産の木(もく)を張ることにしました。

      木下さま:耐火性のために鉄の柱を石膏ボードで囲ってクロスを張るのは、鉄の柱自体を隠してしまうので本質的でないじゃないですか。なので鉄の柱を鉄として出すのであれば耐火塗料しかないんです。耐火建築物は本来、集成材などの不燃の木じゃないといけないんですが、それを外したくて、避難安全検証法っていう別の法律を使って無垢の木材をそのまま使えるようにしました。

    •  

      イメージ図

    •  

      実際の柱

       

    •  

      片山さま:あわら市から、夜間にライトアップしてほしいという要望がありました。ぼんぼりのように優しく灯るイメージにしたく、そうするには柱の表面に凸凹がなく影ができないような耐火塗料が必要でした。様々な製品を検討した結果、関西ペイントの「耐火テクト」を選択しました。

      木下さま:「耐火テクト」のおかげで良い意味で柱の存在感を消してくれたのはありがたかったです。

       

                                     

    •                    

                          撮影エスエス北陸

  • Q,「完成して半年たった感想を教えてください。」

     

    片山さま: 以前は地元の方々や学生が集えるような場所はありませんでしたが、アフレアができたことで、今では平日夕方になるとたくさん学生が来ていますし、週末のイベントには多くの方が集まってくれています。地域のためにも造った施設なので、とても嬉しいです。
    今後はアフレアを起点として、あわら温泉全体にもが集まり、活気ある場所になってくれればと思います。
    木下さま: 建築物に木材を使いたくてもコスト面で出来ないこともいっぱいあるんですが、木目調の壁紙などを使わずに、
    本物の木材で表現できたのは、よくここまでやってこられたなと感慨深く思いましたね。
    芦原温泉駅やアフレアには新幹線開業という一過性の賑わいではなく、いつまでも訪れていただける、賑わいのある街になってほしいですね。

  • 火から建築物を護る当社塗料『耐火テクト』

     

    アフレアで使用された「耐火テクト」は薄い塗膜形成で、空間設計を邪魔することなく耐火性を持たせることができるため、
    意匠性の高い建物などに多く使用されています。
    このように彩るだけでなく様々な機能を持った塗料が私たちの身近に存在しているのです!

  • 最後に

     

    実際に現地を訪れてみると、写真で見るよりも遥かに迫力と解放感、そして木の温もりを感じました。

    細部にもこだわりを感じつい見とれるようなゆったりとした時間が流れており、日中と夜間の違う表情も見たい、

    もう一度訪れてみたいと思う魅力に溢れていました。
    現在も週末には良くイベントが行われており、地元の方々で賑わっているそうです。
    芦原温泉駅を利用される際は温泉に癒される目的だけでなく、ぜひ幻想的かつ温もりのあるアフレアに立ち寄って非日常を感じてみてください。

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東京タワーTOKYO TOWER /kp-stream/insights/4/ Mon, 20 Nov 2023 09:36:37 +0000 /?post_type=insights&p=2052

時代とともに。TOKYOの地に

「関西ペイント」と「東京タワー」は、実は60年以上もの深い関わりを持っています。

東京タワーは、1958年に竣工以来、昭和・平成・令和と、高度経済成長期から現代に至るまで、時代の変遷を永く見守ってきました。

絶えず進化を続ける都市の風景の中にあって、その姿はTOKYOの地に根差す朱色のシンボルとして、変わらないフォルム、変わらない色、変わらない存在感を放ち続けています。
この状態を支えてきたのが、関西ペイントの防食塗料です。

コンセプトムービー

「インターナショナルオレンジ」
は誰もが思い描く東京タワーの色

誰もが思い描く、東京タワーのあの赤色の色名は、正式には「インターナショナル・オレンジ」といいます。これは航空法で定められた色で、メインデッキより上の部分が白色と7等分されているのもその定めによるものです。

関西ペイントは長年に渡り、この「インターナショナル・オレンジ」色を提供し続けており、誰もが思い描くことのできる、普遍的な東京タワーの姿の維持に貢献しています。

東京タワーの塗替えは、定期的に実施されますが、塗料メーカーはもとより、塗装業者にとっても、誇りを持って携わることのできる、大きな目標となりうる仕事です。
なぜなら、単なる構造物のメンテナンスではなく、この国で暮らすすべての人びとのシンボルのメンテナンスといえるからに他なりません。

これまでも、そしてこれからも
日本のシンボルとして。

年月を重ね、幾度も塗り重ね続けられてきた、その鮮やかな色彩は、構造物としての美しさを際立たせ、凛とした佇まいを与えています。

関西ペイントは、この色彩の維持と、防食塗料の技術による保護を通じて、このシンボルを護り続けてきました。苦難の時代にあっても、見上げた先に必ず最高の東京タワーが見えるように。

建設時の新設塗装から始まり、塗替え補修塗装をずっと支えてきた関西ペイントを含め、メンテナンスに関わる人びとの想いや努力を背景に、これからも東京タワーは、特別な存在であり続けます。

Licensed by TOKYO TOWER

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小田原城 ODAWARA CASTLE /kp-stream/insights/3/ Mon, 20 Nov 2023 09:36:29 +0000 /?post_type=insights&p=2050

後北条氏5代の夢のあと。
戦国最大級の城郭を誇った小田原城

相模湾を望む東海道の要所に位置する小田原城。
伊勢宗瑞(北条早雲)に始まる小田原北条五代の拠点として、上杉謙信や武田信玄の包囲をも退けた難攻不落の城は、八幡山から相模湾を巡る最大で全長9kmの「総構」(そうがまえ)を備えた超巨大城郭でした。
しかし多くの大名を従えた豊臣秀吉との小田原合戦により、開城。戦国時代は終焉を迎えます。
現在では天守閣を中心に城址公園として整備され、「常盤木門」「銅門」などの建造物、深く水を湛えた堀など、防御施設としての構造を自由に見学することができます。
また、1960年に復興された現在の天守閣内部は歴史資料の展示施設となっており、海外からの観光客を含む多くの人びとが訪れ歴史に思いを馳せています。

コンセプトムービー

生まれ変わった天守閣
平成の大改修

陽光を受けまばゆく照り映える白壁の天守閣。
老朽化に伴い平成27年~28年にかけて行われた平成の大改修により、耐震補強などの工事とともに外壁の全面塗装が行われました。
そこで使用されたのが、関西ペイントの漆喰(しっくい)塗料です。
古来用いられてきた漆喰本来の良さを活かし、風合いを損なうことなく優れた機能を最大限に発揮する塗壁材により、風情を保ちつつも沿海地での風雨に耐える強度を持たせています。
これからも四季折々の景観の中で白く輝くその姿を保ち続けることでしょう。

公園内にはかつての漆喰塗りの白壁構造が分かる展示もあり、古来の技術を見学することが出来ます。

日本の伝統素材 漆喰とは?
古代の海からの贈り物

海底のサンゴは共生している微生物と共に、海中の二酸化炭素を取り込み、石灰質(カルシウム)の骨格をつくる特性があります。
漆喰の主成分である消石灰は、遙か古代の海のサンゴがもととなって生まれた石灰石を焼成・消化したものなのです。
島国である日本はこの資源をふんだんに有しており、国内で生産可能な数少ない資源といえます。
そのため伝統素材として古くから塗壁材として建築物に用いられてきた漆喰は、自然素材の独特の風合いと質感に加え、アルカリ性の性質による防カビ性や、微多孔質な構造による吸放湿性など、多くの優れた機能を備えており、近年その効果が見直されています。
しかし従来の漆喰壁は高度な左官技術を必要とし、時間がかかるものでした。
関西ペイントの漆喰塗料は一般的な塗装方法での施工を可能とし、漆喰本来の機能を生活に活かす事を実現しました。

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クルーズトレイン「ななつ星in九州」CRUISETRAIN SEVENSTARS /kp-stream/insights/2/ Mon, 20 Nov 2023 09:36:21 +0000 /?post_type=insights&p=2048

優雅な空間で過ごす列車旅。
九州を巡るクルーズトレイン

JR九州が運行する国内最上級の豪華寝台列車「クルーズトレイン ななつ星in九州」、その車両塗装に関西ペイントの塗料が採用されています。 ななつ星は九州7県を巡り、豊かな自然・食・文化・歴史に彩られた九州の魅力を、洗練された空間で楽しむことができる、日本初のクルーズトレインです。
車両は極上の列車旅にふさわしい、ゴールドの装飾が映える深みあるロイヤルワインレッド。
その美しい塗装は、高い技術力とこだわりの上に実現されています。

コンセプトムービー

唯一無二の車両塗装を目指し、
「古代漆色」を再現

ななつ星のロイヤルワインレッドの車両は「古代漆色」とも表現される深みと品格をもつ、高級感ある色です。この「古代漆色」の深みある表情を再現するため、塗装のベースカラーにはブラックとパールカラーの2種の塗料を使用し、光が当たると美しいロイヤルワインレッドに輝く深みある塗色に仕上げています。
また、ななつ星は草木の多い山間部を走行する鉄道車両であるため、塗装の仕上げには硬質で傷が付きにくい塗料でコーティングしています。硬質なクリヤー表面を研磨するという難易度の高い工程を経て、風景が映り込むほどの透明感のある鏡面仕上げを実現しました。
関西ペイントの塗料は車体だけでなく、車内の天井塗装にも採用されています。
調湿・消臭効果などの多彩な機能とその落ち着いた風合いで、豪華な列車旅の演出の一翼を担っています。

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明石海峡大橋AKASHI KAIKYO BRIDGE /kp-stream/insights/1/ Mon, 20 Nov 2023 09:36:13 +0000 /?post_type=insights&p=2046

世界最長の吊り橋を守る
塗料の効果と重要性

世界最長のつり橋である兵庫県の明石海峡大橋。その建設において、関西ペイントが施工した事例をご紹介します。
海の上に建つ橋は、常に雨や風などの厳しい環境にさらされており、特に鉄はそのままだと錆(さび)が発生し腐食が進行してしまいます。そのため防食塗料によって保護する必要があります。
雨や風などの厳しい環境から被塗物を保護する塗料を防食塗料と呼び、構造物の保持を最大限化することができます。ただし、気候や地域に合わせた性能・安全性、環境への配慮などあらゆる観点での仕事が要求されます。
鉄塔、高速道路、プラント、スタジアム、そして橋梁など、巨大な建造物にとって塗装が持つ意味は極めて重要で、塗料なくしてその存在は不可能といっても過言ではありません 。

コンセプトムービー

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外壁修理のコスト削減のカギは、建物の現在を知る調査診断 /kp-stream/insights/13/ Fri, 15 Jul 2022 08:50:23 +0000 /?post_type=insights&p=2034

工場や倉庫、ビルなどの外壁メンテナンスは、その必要性がわかっていても先送りにしてしまう方も多いかと思います。しかし、修理を先延ばしにすればするほど後にかかるコストが大きくなるだけでなく、建物の寿命を縮め、本来は必要のなかった工事をする可能性もでてきます。こうした事態を避けるのに大切なのは、建物の現状を正しく知ることにあります。今回は「どのようにして建物の状態を知るのか?」「どうすればコストは抑えられるのか?」をご紹介いたします。

1. 外壁修理のトータルコストを削減するために

建物の劣化とコストの関係

このグラフは建物の劣化度とメンテナンス費用の関係をイメージ化したものです。
劣化が進むほど、メンテナンス費用が急速に上昇することを表しています。
一例として、外壁などにできる「クラック」と呼ばれる亀裂やひび割れも、乾燥や経年劣化などで生じます。

  • <開口部のひび割れ>

  • <シーリング材の劣化(ワレ・切れ)>

  • <爆裂による鉄筋の露出>

このクラックを放置しているとコンクリート内の鉄筋が腐食して、コンクリートの爆裂を引き起こし外壁が欠損してしまいます。こうなると、当初はクラック部分の修理で済んでいたはずが、コンクリート鉄筋の防錆補修と爆裂で欠損したモルタルの補修が必要となり、修理費用は大幅に増加してしまいます。

  • <鉄部の腐食 (孔食さび)>

  • <塗膜のチョーキング(白亜化)>

  • <磁器タイルの浮き>

クラック以外にも「サビ」の発生や、外壁表面を触ると粉状のものが付着する「チョーキング」、さらには塗膜の「剥がれ」やタイルの「浮き」など、劣化の種類はさまざまで、気候や建物の立地条件によって想定よりも早く発生・進行します。

調査診断でリスクとコストを低減!

どこの劣化がひどくて、どこの傷みが少ないのか?調査・診断の実施が、適切な修理工事を行うための第一歩です。

 

  • ■専門的な知識と豊富な経験を持った担当者による調査診断にはこのようなメリットがあります。

 

    • ◎経済的な改修設計・工事の実現

⇒建物部位ごとの痛み具合や要望に合わせた改修などができ、効率的で経済的な工事の実施が可能


    • ◎過剰な品質・性能仕様、低品質な改修工事の防止

⇒科学的な調査診断により経済効率の高い工事ができ、過剰品質・低品質な修理・修繕を回避


    • ◎長期的な修繕計画の作成

⇒建物の劣化度を明らかにすることで緊急性を要する工事だけでなく、長期のメンテナンス計画が作成可能


    • ◎ダメージ箇所の早期発見

⇒タイルやモルタルなどの落下をはじめ、損害賠償責任を生ずる建物災害の予防や、欠陥・瑕疵を早期に発見することでリスクを抑制


    • ◎入札や業者選定の資料に最適

⇒中立的な立場の専門家が作成した調査資料なため、公平な入札や業者選定に活用が可能

2.調査診断のフローと検査内容のご紹介

外壁の亀裂やサビなどは放置し続けていると、より深刻な事態を引き起こしてしまいます。
科学的な調査診断の実施が建物の安全性を高めるだけでなく、修理・修繕のコスト削減の鍵となります。

以下の図は、調査診断をする際のフローチャートです。調査診断の4項目「目視・触診による調査」「打診調査」「付着力強度の調査(塗膜付着力試験、クロスカット試験)」「コンクリート中性化深度測定試験」の内容をご紹介します。

 

 

目視・触診による調査

外壁に意図せず生じる「亀裂」や「ひび割れ」は、「クラック」と呼ばれ、建物自身に生じる動きや、寒暖の差による膨張収縮など、さまざまな不可抗力的な要因により起こります。
この亀裂が直ちに修理が必要なものかの判断は定規やコンベックスなどで幅を測り目視で確認します。

 

 

測定した亀裂の幅が一般に「0.3mm以上」の場合、被りコンクリートの破壊や「漏水」の要因となりかねません。
工事を実施する際は、漏水をはじめとした症状に応じた修理が必要となります。

また、触診調査は目視調査ののち、外壁やシーリングなどを直接手で触れ、その感触から劣化の判定します。
このような調査を行い、状態によってはより詳細な調査を実施します。

打診による調査

 

「打診調査」とは打診棒を使って壁面を叩き、その音の差異を聞き分けて内部の異常を発見する調査です。
ここで異音が発するのは、経年劣化により内部に「浮き」が発生している可能性が高いと考えられます。

 

 

この「浮き」とは躯体コンクリートと下地調整材やモルタル間、もしくは各仕上材間の層間接着力の低下に伴う、内部での破断現象を指します。
一見しただけでは浮きの発生は特定しにくく、気づかずに放置していると「欠損」へと至ってしまい、モルタルやコンクリートなどが崩れ落ちて、歩行者や周辺建物などに危害を加える恐れがあります。

なお、外壁打診調査は、平成20年の建築基準法施行規則の改正に伴い、10年ごとの定期調査時に「全面打診」による調査が義務付けられています。

付着力強度調査

仕上塗材や、下地調整材も永年の雨風や紫外線の照射の影響により経年劣化し、美観・撥水・防水機能が低下して塗膜の下地への接着機能が失われます。
そのままの状態で放置していると下地の劣化に拍車をかけ、各種塗材の広範囲にわたり本来の機能である、コンクリートの保護機能を失ってしまいます。

この「塗膜付着力試験」では現在の塗膜の付着強度を測定し、塗膜の付着状態・造膜状態をチェックして劣化状態を評価し、工事での修繕方法・仕様・工法などの選定材料にすることを目的としています。

【塗膜付着強度試験】

  • 付着力試験機により加圧

  • デジタルゲージ接写

塗膜にアタッチメントを装着し、付着力試験機で加圧。デジタルゲージで付着強度を測定します。

【クロスカット試験】

 

鉄部の塗膜付着力試験は、セロハン粘着テープを用いて判定する「クロスカット試験」を実施します。
剥離状態を見て劣化度を比較し、塗り重ね可能な塗膜か否かを判断します。

中性化深度測定調査

コンクリート中の鉄筋はセメントの水和反応で生成する水酸化カルシウムCa(OH)の高アルカリ性により、腐食から守られています。この水酸化カルシウムは空気中の炭酸ガスと反応を起こすと、炭酸カルシウムとなり、この状態になるとアルカリ性は次第に失われていき、それにより「コンクリートが中性化」してしまいます。
コンクリートが中性化すると内部の鉄筋は腐食しやすくなり、建造物の構造・耐久力の低下につながります。
この「中性化深度測定」は、事前の調査診断作業の中でも特に重要です。

 

①躯体表面から10~20mm程度のサンプルをコア抜きドリルにより抜き取って採取
②採取したコアサンプルに試薬であるフェノールフタレイン溶液をかける
③無色透明なフェノールフタレイン溶液はアルカリ性に反応して赤変
赤紫色に変化した部分はpH=10以上の比較的高いアルカリ性であるため正常部であることがわかり、一方で無色透明の部分は中性化進行部と判断できます。
この無色透明部分が躯体表面からどの程度進んでいるかをノギスで計測して、進行を防ぐための対策を立てます。

3.まずは「専門家」にご相談ください

外壁の修理は放置しておくと本来は必要のなかった修理が発生してしまいます。
そうならない為にも少しでも気になることがありましたら、まずは調査診断を依頼するのがオススメです。

関西ペイントでは長年培ってきた知見をベースに、最新の塗料技術を組合せてご要望やニーズに合わせたご提案をしております。
弊社が実施している調査診断の詳細については、以下の「お問い合わせ」ボタンよりご連絡ください

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各種プラント設備の特性とメンテナンスでの最適な塗装 /kp-stream/insights/12/ Thu, 03 Feb 2022 04:08:19 +0000 /?post_type=insights&p=2543

タービン

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
建屋の鉄骨         一般的な鉄骨塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や
工程短縮が望ましい。
防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
建屋内にある機器             メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 防食性 ユニテクト       エスコNBマイルドK   ユニテクト20セーフティ  
ルビゴール     ルビゴール   ユニテクト20セーフティ  

ボイラ

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
鉄骨         一般的な鉄骨塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
ケーシング           メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 耐熱性 サモスター       サモスター サモスター        

煙突

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
塔体・筒身
(100℃以下)
        高所による塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
筒身・煙道
(100℃以下)
          メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 耐熱性 サモスター       サモスター サモスター        

配管

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
保温有り
燃料・薬液・蒸気等
            保温配管特有のCUI腐食対策が有効。 CUI対策 CUIサモスター     CUIサモスター CUIサモスター        
保温無し
工業用水・消化剤・ガス
        一般的な鉄部塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
保温無し
結露状態
        メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 防食性
耐水性
結露面塗装
ウルティモ     ウルティモ ウルティモ      
ラック、スタンション         一般的な鉄部塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  

タンク

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
タンク外面         一般的な鉄部塗装。足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
タンク内面
ガス・工業用水等
            法定点検でのメンテ。 防食性
耐水性
エポテクトタールフリー         エポテクトタールフリー エポテクトタールフリー        
タンク内面
液体:純水等
            耐久性が安定した工法が望まれる。(内容物は要確認) 防食性
耐水性
エポマリンJW       エポマリンJW エポマリンJW エポマリンJW      
タンク内面
軽油・薬液等
            耐久性が安定した工法が望まれる。(内容物は要確認) 防食性
耐薬品性
エポマリンPC       エポマリンPCプライマー エポマリンPC エポマリンPC      

燃料移送

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
アンローダー・コンベヤー・クレーン         メンテによる設備の稼働停止時間の短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  

海水系

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
冷却器・気化器・循環水ポンプ等           足場架設が必要になるため、素地調整軽減や工程短縮が望ましい。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
          海水がかかったり結露している場合が多い。メンテによる設備の稼働時間を短縮することが望ましい。 防食性
結露面塗装
ウルティモ     ウルティモ ウルティモ      
取水放水管・循環水管・冷却器
気化器・循環水ポンプ等
            海水に対する防食 防汚性 エポテクトタールフリー         エポテクトタールフリー エポテクトタールフリー        
            海洋生物等の付着から守り設備の稼働を安定させることが望ましい。 防食性
耐水性
バイオックス     プライマー バイオックス バイオックス    

桟橋

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
荷受         オフショア。スプラッシュゾーン(乾湿交番)は最も厳しい腐食環境。補修が困難な設備でメンテフリーが望ましい。 防食性
耐候性
SDジンク、テクトバリヤー、
レタン
      SDジンク500 テクトバリヤーSP レタン6000      

脱硫装置

主な設備部位 環境区分(腐食区分) 設備の特徴/求められる点 求められる
性能
塗替えで推奨する
塗料・工法
期待できる効果・訴求点 塗装工程(使用塗料) サステナビリティ
一般外部 穏和な
腐食雰囲気
厳しい
腐食雰囲気
海浜曝露部 没水 薬品浸漬 高温部 素地調整
軽減
省工程
工程短縮
LCC 特殊性能 下塗り 下塗り 上塗り 脱炭素
(省工程)
QOL
(防汚性・
工期短縮)
資源有効活用
(ロングライフ・
廃棄物削減)
環境負荷
(重金属フリ
ー・水性化・
タールフリー)
設備の鉄骨         設備の温度が高温~超低温まで。設備にSUS素材も多く使われる。CUI対策が求められる。 防食性
耐候性
ユニティーモ     エスコNBマイルドH   ユニテクト30SF  
ルビゴール   ルビゴール ルビゴールG ユニテクト30SF  
キシレン、エチレンなどへの蒸留など
(保温有無)
            低温 CUI対策 CUIサモスター     CUIサモスター CUIサモスター        

 

実際の各設備の塗装仕様については以下からお問い合わせください

最適な塗装仕様をご提案します。

関西ペイントでは、メンテナンス塗装をお考えのプラント設備について、素材や環境、旧塗膜の状態など、さまざまな条件を考慮したうえで、補修に適した塗装仕様をご提案します。
設備管理のメンテナンス計画などにお役立てください。

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配管はプラントの“血管”。メンテナンスの盲点とならないために /kp-stream/insights/11/ Thu, 16 Dec 2021 08:02:33 +0000 /?post_type=insights&p=2031

発電所や製鉄所、化学工業や製紙工場、食品工場などのプラントに欠かせないのが配管です。
液体や気体、粉体など、特殊な物質や資源を扱うために専用に設計されたプラント配管は、さまざまな流体を輸送するため、工場内の設備から設備へと縦横無尽に張りめぐらされています。

人体にたとえるなら、体内をめぐる“血管”のようなものといえるでしょう。

1. プラントにおける配管の重要性

プラントの種類や設備により、配管を流れる物質もさまざま

外見はどれも同じように見えるプラント配管ですが、目的や用途、条件などによってさまざまな種類の配管を使い分けています。
たとえば、工業用水や排水、熱源水などの液体を流体とする場合は液体配管を、蒸気や冷媒、燃料ガスなどの気体を流体とする場合は気体配管を使います。

プラントでは危険な薬品や可燃性の高い燃料などを扱うことも多く、わずかな漏洩が大事故へとつながってしまう可能性があります。
たとえば、原油などは揮発性が高く燃焼の危険性も大きいことから、取り扱いには十分な注意が必要です。
また、高温の排水、人体や環境にとって有害な薬品やガスなどを取り扱うケースも少なくありません。

 

配管のトラブルは各設備への重大な悪影響に

プラントの構造などにより、屋外を通さなければならない場合や1本の配管が長くなるなど、プラント配管は破損や劣化などによるトラブルが起こりやすい設備でもあります。
そのため、プラント配管を安全な状態で維持するには定期的なメンテナンスが重要です。
しかし、高所での作業や被覆を剥がすなど、実作業となると高度な技術と専門知識を要すため、作業員の確保などを含む綿密なメンテナンス計画が必要となり、なかなかスムーズにはいきません。

取り扱う流体には危険物も多く、高温高圧から低温までといった厳しい条件下で使用されるなど、過酷な環境に置かれることが多いプラント配管は、傷やサビ、配管減肉といったわずかな異常から漏洩などのトラブルが発生します。

人体の血管の障害が臓器の障害へとつながるように、配管の障害はそこにつながるプラント各設備へ悪影響を及ぼし、結果的に設備の稼働率の低下、あるいは全面停止などの重大なトラブルへと発展する可能性があります。

そこで適切な保守計画とメンテナンス塗装の実施が、このようなリスクの低減のために重要となります。

 

2. 適切な塗装でリスクを抑制できる!

高い専門性が求められるメンテナンス塗装

プラント配管のメンテナンス塗装では、配管の素材や配管を流れる物質、使用環境など、さまざまな条件を考慮したうえで、塗装仕様(塗料)が決められます。

配管の素材が炭素鋼なのかステンレス鋼なのか、配管を流れる物質が液体なのか気体なのか、どの程度高温になるのか低温になるのか、配管の保温材の有無やCUI(保温材下配管外面腐食)対策など。
また、結露しやすい環境なのか、塩害の有無や没水の有無など、配管が設置されている環境面での考慮も重要です。
メンテナンス塗装において適切な塗装仕様を判断するには、これらを総合的に鑑みる必要があるため、高い専門性が求められます。

 

素地調整の判断がメンテナンス塗装のカギ!

メンテナンス塗装の前処理として行われる素地調整(下地処理)。
中でもケレン作業は、メンテナンス塗装の完成度にも大きく影響する重要な工程の一つとされ、サビや塗膜の割れなどの旧塗膜の状態、または高温対応などといった配管の種類など、さまざざまな条件からどの程度の素地調整を行うかの判断を下します。

素地調整は、作業内容や方法などに応じて1種ケレンから4種ケレンまでの4種類に分類されます。
とくに、サビや旧塗膜の除去面積が広く作業負荷が掛かる1種ケレンや2種ケレンでは、ケレン残しによるサビの再発といった課題も多く、素地調整の見極めが非常に重要となります。

配管外面の塗装区分の一例について、以下に示します。

配管外面の塗装区分(例)

上記表のように素材や温度・環境、保温材の有無などにより塗装仕様が細かく設定・判断されます。
場所によって汚れやサビの程度が異なるだけに、素地調整の判断、いわゆるケレンの出来栄えがメンテナンス塗装の重要なカギとなっているのです。

3. メンテナンス塗装の課題をご相談ください。最適な塗装仕様をご提案します。

関西ペイントでは、メンテナンス塗装をお考えのプラント設備について、素材や環境、旧塗膜の状態など、さまざまな条件を考慮したうえで、補修に適した塗装仕様をご提案します。
設備管理のメンテナンス計画などにお役立てください。

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<更新>想定を超えるさびの再発・進行。プラントメンテナンスのポイントはスケジュール上での余裕 /kp-stream/insights/9/ Mon, 16 Aug 2021 07:31:57 +0000 /?post_type=insights&p=2018

1. プラント設備での「さび」との戦い

プラント設備の保全、中でも腐食への対応は、施主・管理者にとって常に大きな問題です。
従来の補修工事では特に、塩害など環境からの影響、湿潤面など設備の特徴により、想定以上のさびの再発・進行の早さに悩まされるケースも多く見られています。
予定されていたメンテナンス時期より早くさびが進行すれば、配管に穴が空くなどの大きな問題となる事もあり、その結果、設備の取り替えや大規模な補修が必要となるなど、コスト・時間の大きな損失となってしまいます。

2.メンテナンススケジュールの課題

設備の交換や大規模補修のリスクを避けるために、想定以上のさびの再発・進行の早さが見られた際には速やかな対応が必要ですが、本来予定していなかったメンテナンスの実施には、以下のような問題が生じる可能性があります。

必要な手続きに時間がかかる
(見積もりの取得/社内協議/予算化/稟議/計画作成/その他社内手続きなど)
過去に対応した施工業者の人手不足などにより、必要な時期・期間での施工ができない。
またそのために別の施工業者に発注することで思わぬリスクが発生することも。

このようなプラント保全での課題を踏まえ、関西ペイントでは塗り替え塗装に最適なさびメンテナンス用塗料「ルビゴール」を開発しました。

 

溶剤貯蔵のタンク、配管等でのさび発生箇所の例

3.「ルビゴール」の真価。さびの再発・進行を抑え、余裕を持ったメンテナンスが可能に

関西ペイントの「ルビゴール」は、さびが残る箇所に塗装した場合もさびの進行を抑え、長期の防食性能を発揮します。
従来の補修塗料と比較し時間的な余裕が生まれることで、先述した「手続きに必要な期間」「人手不足による作業時期の制限」など、メンテナンス実施のためのスケジュール上の問題を解決することが可能となります。

このような特徴により、大規模補修の発生リスクを抑制し、メンテナンスサイクルの長期化によるメンテナンス頻度そのものを減少させることで、プラント保全に関するトータルコストを大きく引き下げることが期待できます

ルビゴールを使ったメンテナンス時期のイメージ

 

4.さびが残存する面にも塗装ができて、進行を止める!独自技術でさび発生のメカニズムを根本的に解決

「ルビゴール」は腐食電流(3つの電流パターン)を抑制することでさびの促進を制御する手法を採用した、画期的なさび止め塗料です。
さび発生の根本的なメカニズムである「電流」に対し、独自技術でアプローチ。電流を遮断する成分があらゆる腐食電流をカットし、一般的な塗装と比較しても点さびの発生時期を約1.6倍に延ばします。
また、その後のさびの進行も抑制し続けるため、メンテナンスの推奨期間の長さも約2.2倍に保つことができます。
このように、さびを放っておくと短期間で再発してしまう原因を抜本的に解決することで、長期的な防食性能を実現しました。

 

さび表面の腐食電流が大きくなるとさびの進行が加速

ルビゴールの成分で腐食電流をカットし、さびの進行を止める

「さび発生・促進抑制メカニズム」について詳しくはこちら

ルビゴールは、腐食防蝕学会 技術賞を受賞しました
ルビゴールが、国土交通省 新技術情報システム(NETIS)に登録されました

5.「ルビゴール」の導入事例・試験塗装結果

施工場所:LNG(液化天然ガス)設備 鉄骨架台
施工場所は海岸沿いの立地で、特に海からの風が強く、塩分の影響を受けやすい環境下にあるプラントです。さびが発生した鉄骨架台は素地調整に動力工具が使用できない火気厳禁エリアのため、ケレン作業の負担を軽減する「ルビゴール」をご採用いただきました。

 

 

6.まとめ

プラントメンテナンスや保全計画、その課題解決を目的に開発されたのが「ルビゴール」です。
塗装のみでさびの進行を抑制し、しかも長期的な防食性能を発揮するこの製品は、施主・施工業者ともに多くのメリットをもたらします。

「ルビゴール」採用のメリット

 

  • 施主・プラント管理上のメリット
    • 余裕を持った補修計画・施工が行える
    • メンテナンスの頻度が抑えられる
    • メンテナンスのトータルコストが抑えられる

 

  • 施工業者のメリット
    • 作業員の確保や調整に余裕を持って対応できる事で、施工の取りこぼしを防げる
    • 動力工具を使用した大規模なケレン作業が不要となり、質の高い仕上がりが短期間で行える
    • さび発生までの期間が一般的な塗装と比較し約1.6倍となり、メンテナンス推奨期間も長期化されることで競合業者との差別化が図れる
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濡れたプラント設備にそのまま塗装できる塗料「ウルティモ」 /kp-stream/insights/10/ Thu, 18 Mar 2021 07:50:42 +0000 /?post_type=insights&p=2025

1. 濡れている設備の腐食課題

プラント設備は、その特性や設置している環境によって、さまざまな環境負荷がかかっています。
特に、低温のガスが通る配管や気化器、海水を導入する復水器、空調機器を支える架台、貯水施設の付属物など、絶えず水分の影響を受けている設備は意外と散見されます。

それにも関わらず、的確な防食方法が少ないことから、腐食がすすんでも放置せざるを得ない、若しくは次回の大規模修繕や定期点検時に設備の運転を止めて、設備が乾燥できるタイミングまで待たざるを得ないケースが多くあります。
また、降雨後に無理やり塗装したために、濡れムラが出来たり、塗装後たった一ヶ月でサビが出てきたりというケースも困り事としてお聞きします。

このような状況が想定される場合、 次のような課題があるのではないでしょうか?

プラント設備: 湿潤環境阻止のための、設備停止。
商業ビル屋上空調回りなどの建築鉄骨: 完全養生や強制的な乾燥。
洋上構造物、山間部などの湿潤した土留め鉄骨: 大規模養生や水洗後の養生時間

 

結露水等による比較的薄い水膜下は、単純に没水している箇所よりも酸素の供給がスムーズとなるために、実際の腐食環境としては2~10倍程度の厳しさとされます。

参考データ:ロシアの科学者トマショフは、腐食速度は水膜厚さの影響を受け、1μm程度のとき最も厳しいと予測した(上図1966年)。

2.湿潤面に直接塗装できる「ウルティモ」

腐食対策での「塗装」は、簡便かつ長期的に耐久できる、コスト面でも最も優れた工法の一つです。
しかし、塗料は濡れた面に対しては密着しなかったり、水を巻き込んで剥がれたり割れたり錆びたりと、濡れている箇所にそのまま補修できる簡便な材料や工法は少ないのが現状でした。

そのため、メンテナンスの際は乾燥させることが大前提となっていましたが、乾燥させるためには設備の停止が余儀なくされました。しかも、場合によっては乾燥するまでに3~4日かかることもあります。
できれば運転中や供用中でも補修したいシーンは多くあると思われますが、実際には難しい状況でした。

そんな課題を克服したのが、湿潤面用防食塗料「ウルティモ」です。

 



結露で濡れた配管に直接「ウルティモ」を塗装

結露で濡れた配管のフランジにも、無理なく塗装できる。

 

ウルティモは、塗料に超疎水性能を付与することで、表面にある水分を押し出しながら硬化していくので、通常の乾燥している表面に塗装する場合に近い状態で、刷毛塗りやローラー塗装が可能となります。
また、水分と接触しても塗膜が剥がれたり割れたりせず、強固な膜を形成するので、塗装後には優れた遮断性を発揮し、長期の防錆力を実現します。

3.「ウルティモ」の導入事例・試験塗装結果

■ プラント構内の事例

兵庫県にある化学プラントの結露配管にて、湿潤面用塗料ウルティモの試験塗装を行いました。
一般的な変性エポキシ樹脂塗料を乾燥膜厚250μmとなるよう塗装を試みましたが、写真のようにうまく塗り広げることが困難でありかなり労を要しました。
一方、同様の条件においてウルティモは一様に塗り広げる事ができました。

 

 

この設備を約6ヵ月放置したところ、一般的な変性エポキシ樹脂塗料ではさびが多く発生しています。これは、塗料中に巻き込まれた水分がさびを促進させ、さらには塗料が膜にならなかった部分が散在したため、外部との遮断性能にばらつきが生じたためさびが発生したものと考えられます。
一方、ウルティモは安定した防錆力を発揮し、塗布した時のように綺麗な状態を保持しています。

 



一般的な変性エポキシ樹脂塗料

ウルティモ

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